Wednesday, March 9, 2016

なぜ改造するのか

改造の話をしよう。
そもそも僕にとってバイクの改造の入り口は
スズキハスラー50のフロントフェンダーを外して、ヤマハRX50のタンクを付けて
ハンドルを金ノコで短く切り詰めた変なアメリカン。

その後はヤマハのRD50にスワローハンドル付けたりライト交換したり、ハンドルの間に納まらなくなった2連メーターをタコメータだけにしたり、当時の入門者がみんなやるような軽い改造だった。

その後は自分が乗っていた国産オフロードバイクXLRを逆輸入レーサーのXR250に近づけるための改造。

ポリタンクを付けたり、レーサーのサスペンション付けたり。
そしてバイクの楽しみ方も外観の改造より走ることが中心になってきた。
バイク好きな人っていろいろ理論的なことを話すのが好きだったりするんだけど、
我々のポリシーはただひとつ「能書きを垂れない」
走る前に「今日は体調が…」なんてのは「プレ能書き」
終わってから、「実はリアサスのセッティングがイマイチだったんで…」なんてのを「アフター能書き」と呼んで蔑んでいた。
でもいるだろ?そういうやつさ。

本物のレーサーを手に入れてからは性能を上げるためのボアアップやハイカムを組んだり、
よくわからないままポートをツルツルに磨いたりした。

XR600にしてからは一刻も早く新しいバイクに慣れたくて
セクションばっかり集めたような小湊のコースで朝から晩までバイク乗ってヒルクライムとか沢登りとか岩盤とかにチャレンジしてた。
年末にバラバラの部品で買ったバイクを正月に組み立てて、コースだから車検も登録もいらないからすぐにピックアップに積んで、地表の下が凍り付く群馬や茨城に比べて少し暖かい千葉の小湊に1月から4月まで休みなしに毎週埼玉の桶川から通ったくらい。
サスペンションのオイルを減らしたり増やしたり、固くしたり柔らかくしたり、
ダイヤルをグルグル回して走っては感想を書きとめたり、キャブのジェット換えたり
タイムを計測して
ちょっと真面目にやってた。


ま、結果から言えば大して変わらない、あくまでも僕のレベルではって事だけど
シビアに1クリックくらい変えてもなんだかよくわからない。
もちろん、極端にセッティングが違うと乗りにくいけどさ。

でもそうやって面倒くさいセッティング遊びをしたおかげで、
例えばバネは強め、ダンパーは弱め、みたいな感じである程度自分が好きな方向を知ることが出来たし
買って来たままのバイクも自分好みに乗りやすくするやり方がわかるようになってきた。

登れるか登れないかギリギリの山で一番効果を発揮するのはタイヤだったな。
それまではXRに新品でついて来るVEが最強と思ってたんだけど、雨の中泥がまんべんなく塗り込められた丸い河原の石の上でまるでグリップしなくて、その時BSの中軟質路用もモトクロスタイヤを履いた600が同じバイクとは思えないくらいグリップするのを見て即履き替えた。これは僕にとって目からウロコどころか魚が飛び出すくらいだった。
あとはトライアルタイヤ、これもスゴイ、つるつる滑る濡れた岩の上も皮が半分剥がれたような大きな倒木も、
いつもなら助走付けてリアタイヤが当たる時にはクラッチ切ってごまかすようなグリップの悪い所でも
まくれ返る勢いでグリップするんだもん。
最近ではハードエンデューロ専用と言う名前でトライアルの柔らかさでモトクロスのパターンってすごいのも出て来た。

JCRのジョニーキャンベルがHONDAのBチームだった頃、CRM250ARの撮影があって、モハベ砂漠の真ん中で彼と二人で4時間くらい話すチャンスがあったんだ。
「お前知ってるか?西海岸でのVE35の正しい使い方はさ、さっさと外してゴミ箱に入れる!なんだぜ」なんて教えてくれたのもこの頃だった。

タイヤのブランドやパターンも大事だったけど、
どうしても先に行かないといけない山の中で最後に頼るのはエア圧を落とすこと。
みんなも雪道で車のタイヤがが埋まったりしたら、試しにエア抜いてみな。
横から見て潰れて見えるくらい。そしてタイヤのまわり砂撒いて押してもらいながらそっとアクセル開けたらだいたい脱出出来ちゃうよ。

そういえば600はパワーがあるからエアを落としてアクセルを開けた時にバルブの口を切らないように
ビードストッパーを3個付けてるヤツもいた。

今は2個くらいしか付けないけどね。

3つもあるとタイヤ交換の時面倒くさいんだもん。

改造の話が山バイクの話になっちゃったな。



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