Wednesday, December 2, 2015

自宅で作るスポーツスターのボルトオンハードテール その20 馴染ませ加工

タンクは今年も本当に大変だった。
パテとヤスリと粉、粉、粉、粉、粉、粉、粉、粉、粉、粉、粉、粉…
でも去年の半分以下の時間で出来たし、パテのやり直しとかほとんどなかった。

で、問題の塗装は写真が撮ってないんだごめん。



ともかくホームセンターで売ってる2番目に安い400円のアクリルオレンジ
それと1番安い200円、アレスコのラッカー
まずは丁寧に仕上げてプラサフを吹いて仕上げたあと、大胆に400円オレンジ色のアクリル塗料を吹く
安いだけあって薄いし全然被覆力がない。
グレーじゃなくて白いサフを吹いたらよかった。
でもなんとかオレンジを塗り終わったら、
模様のマスキングを作る。


今回の柄と言うか模様は、一度チャレンジしてみたかったスカロップ柄。
深夜なのにマスキングテープが切れて、夜中のドラッグストアで似たような紙絆創膏を買って来て
それでスカロップのマスクを切る。
場所は凍えるような犬小屋。

マスキングが終わったらラッカーの黒を吹く。
これ、本当は絶対やったらダメなやり方で
これやるとラッカーで下のアクリルが侵されて溶けてぶつぶつ浮き上がってくる。
それをドライヤーでなだめながら乾いたら磨いて
また吹くと
分厚く塗ったところだけオレンジが盛り上がったような状態で沸いて来て、
でも他はちゃんと模様ができる。

今回はこのボコボコが大事なんだ。

僕は乗り物の塗装は錆び止め程度にあればいい方だけど
去年はせっかくのショーだし、きれいなバイクが出したくて
可能なかぎり平滑な面を作って鏡面とかいかないまでも
顔が映るくらいはピカピカに仕上げた。
そういうのが好きだから。

上面と側面には犬リバティを貼ってさ。

で、今年はスカロップ。
でも上面にはリバティのステッカーの下半分だけを貼って、
けっこうやれてる車体と雰囲気を合わせた感じにしたかった。
タンクだけならまだしも、ハードテールも新しく作った新品だから
そのままだと今の犬号に馴染まないんだ。


そこで出て来るのが「馴染ませ加工」
エイジングやヤレ加工と一線を画すこのネーミング
オーセンティックモーターサービスのカワムラさんが言い出したはずである。


しかしヤレ加工と何が違うのかと問われたら、やっていることに共通点は多い。

そもそも、僕個人は新品をわざとヤレさせるなんて、
ストーンウォッシュのジーンズみたいなイメージがあって
あまり好きじゃなかったんだ。
でもTシャツは買った途端に首のまわりをぐいぐいと伸ばして楽にしてから着る。
もったいない…って言われたことがあったけど
僕に言わせるならキュウキュウにキツい首のシャツなんて着てられないのである。

それはそうと馴染ませ加工
今回は目的があってやってるからいいのだ!
で、失敗覚悟で面倒くさいアクリルとラッカーのボコボコテクスチャまで作っておいた。
僕が考える馴染ませ加工は

ガソリンが流れて乾いた跡

日光やいろんなストレスでひび割れ

紫外線で褪色した上面

きれいにしても取り切れない汚れ

でもタオルで拭いてるからピカピカじゃないけどツヤもある状態

この辺を入れたらいいかな、なんて思ってた。

何日か前に自分で出来そうなところをいろいろやって悦に入ってたんだけど、

今回エイジングがすごくうまい人にお願いして手伝ってもらったんだ。

馴染ませ加工と言えばこの人

アレックス先輩

有名すぎるアイアンもショベルもインディアンもあの味が
塗装なんですって言われても
えっ?って感じである。
彼の加工は現在進行形で、擦れたらまたやって汚れたら全体を馴染ませて
バイク全体をみながら絶えず進行してる

え?それじゃどんどん汚くなるだろうって?
そうなのだ。
汚れ過ぎたら洗車したりして
いい状態をキープしてるんだな。

インディアンに乗って馴染ませキットを持ってやってきてくれた。
塗料やいろんな薬品を使ってテクニックを駆使して馴染ませてくれる。


僕がぐちゃぐちゃ塗り過ぎた部分を溶剤と筆を駆使してどんどんキレイにしながら
あたらしく汚れや傷を足して行く。



本物のリバティには上から下に向かって何本も走る亀裂をよく見かける。

僕がカッターでデカールに付けた亀裂に色を差す。

去年梨地に仕上げたレバーも全体にくすませてから
手があたるところを磨いて立体感を出す。


僕が3晩を使って、失敗しては拭き取り、あと1回失敗したらもうやめようって
毎日明るくなるまで泣きながら消しては描いたピンストも容赦なく汚していく。

クラックは「画像を見ながらやった方がいいですよ」って教えてもらって、
太い本流に細いのが派生するような発生の仕組みを考えながらカッターで一本ずつ入れて行く

まだ途中のキャップも雰囲気を見るために置いておく。



真剣なのだ



同じデカールなのにタンクもバイクも去年のとは
全然違う雰囲気になってきた。

このアングル好きなんだ。
競技としてはもう少しハンドルが広い方がいいけど
全体の感じではこのくらいがいいな。


今は深夜の1時過ぎ、これからキャップの続きを彫るよ

ではまた。

No comments:

Post a Comment