Sunday, December 15, 2013

鋳物とガス抜き

何だろう?
どうしてこんなにうまく行かないのかね?


右上のなんてほとんどパーフェクトなのに上が欠けてる。


そしたらある人がガス抜きの穴を開けるといいですよって教えてくれた。
シンプルに竹串でガス抜きを付けたのが上の写真の手前に写ってるやつ。
変なツノみたいなのが生えてるけど、これがソフトなガス抜きになって
かなりうまく行ったけど、まだあと少し足りない。



そこで更に考えを押し進めて、鋳物のサイドにガス抜きを作ってみた。
ミニ湯口みたいにしたわけだ。

横にするとこんな感じ
ガス抜きからアルミがあふれて来てるのがわかる。

うまく行ってる!!

きれいに抜けました!!
これでガス抜きのやり方もわかったし、もらったアルミもとりあえずだいたい溶かして
インゴット状にしたから、まだしばらく鋳物が出来るよ!



やっぱりうまく行かないのには何か理由がある。
鋳物は何世紀も前から少しづつ完成された技術だから
いろんなノウハウがあるんだ。
僕は炭火と空気を使って鉄鍋でアルミを溶かして
粘土と砂で出来た型に流すというかなり19世紀的な方法を取っている。
でもこの方法はうまい下手がすごく作品の出来に影響する。

でもいろんなセンサーとか機械はあったらいいけどなくてもいいんだ。
いつも見てる大神戸共榮圈にいいことが書いてあったよ。
タイトルは「Rフレームと車高と…自論」

バイクを作る際に必要なモノは・・

大きな差し金

(無ければベニヤを三角に切ればよい)

かね(直角)を見るのに使う。

水平器

水糸

下げ振り

それだけあればいい。

大昔から大工さんはそうやって家を建てている。
引用終わり

実は犬号のフレームを切って繋いだ時も鉄の定盤の上にラッシングで固定してから
自作のベニヤ板の大きな三角定規と
水糸と下げ振りだけで作った。

時々ラッシングを締め直すと

全てが変わって三角定規で測り直してから
作業を続けたんだ。

またこんなことも言ってる。
以下引用


道具があると・・人間つい変な、入れなくてもよいRを作ったりする。

旋盤・フライスにしてもそう。

すべては楽で簡単やから。

それは+のカスタムにしかならない。

数年後には残ってない。


自分は-の改造をしている。

便利さは必要最低限の事にしか使わないほうが良い。

それよりはどうしたら出来るかを考えた方がよりよい結果を生む。


引用終わり

僕もこの意見には多いに賛成。
僕と河田さんはバックグラウンドも違うし、相違点はいろいろあるけど、
こういう考え方は大いにに共感出来る。
もともと何もないところから始めた改造で、
恵まれた作業環境とはとても言い難いコンテナの中で
サンダーとハンドドリルとアーク溶接機で素晴らしいバイクを生み出して来てるから。

僕もサンダーとドリルと100V半自動でだいたいのことは済ませてる。
鉄パイプは切れ込み入れるか側溝の蓋をずらしてはさんで曲げてるし、
タンクの内側だってペンチややっとこでつかんで曲げてる。



もちろん、エンジン内部やサスペンションみたいな機能部品、
なるべく正確に作りたい時や、

雑事に時間を取られず素早く確実にやらなくてはいけない場合はこの限りではないし、
やっぱり使ってみたい道具ってあるから。僕の場合は旋盤とかTIG溶接とかね。

それでも出来るか出来ないかは道具があるかないかじゃなくて、
やるかやらないか、それに尽きると思う。
バイクの改造もそうだった。
アイアンスポーツのシートポストが2本あるなんて
フレームをヤフオクで買うまで知らなかった。
そんなド素人がもう必死で作ったのがこの犬号なんだ。
出来るか出来ないか、ではなくてやるかやらないか。

やり遂げなかったら弟から譲り受けた大切なスポーツスターがタダのゴミになっちゃう。
僕は背水の陣でかなりギリギリな感じだった。

鋳物も同じ。

バート・マンローが庭で穴掘ってピストンを作ってたエピソード見て
これは俺も出来るかもしれないって思った。
みんなそう思うかもしれないけど、
じゃ自分でやろうって鋳物やってる人は少ない。

もちろん必要とされるプロパンバーナーも黒鉛の坩堝も鋳物専用砂も持ってなくてさ。

ホームセンターでタイルの目地用の珪砂買って、バーベキュー用の木炭と
ご家庭用鉄鍋、炉は拾った七輪。
それでも出来ない訳がないって、なんだか根拠はまるでないけど
すごい確信みたいなものはあった。

そうやって下手クソなりにいろいろやってたら、曲がりなりにも鋳物の部品が出来るようになってきた。
そうするうちに滋賀県のN西さんに型用のスタイロフォームを送ってもらったり、
サンダー杉山さんにアルミの材料をいただいたり、
プロの方にアドバイスをもらったり、その他にもいろんな人の協力をいただいて
鋳物の魅力に取り憑かれるようにしてここまで来れた。

黒鉄さんだって初めは無理だと思われるような
このポイントカバーを頼んでくれたおかげで、
造形して文字を彫って鋳造すると言う新しい次元に進むことができた。

そして、ブログの読者の皆さんに僕が作った鋳物の部品を買ってもらって
またそれで燃料や砂やいろんな材料を買うことが出来た。
これは本当に感謝以外の何ものでもないよ。

今はカウベルやタイマーカバーを何個かお待たせしています。
ホントに心苦しいのですが
なかなかうまく行きません。
特にカウベルは注文の分だけでも今までの消失型で作ってしまおうかとも思っていますが
やはり新しい方法(19世紀からあるけど)で
作りたいのです。
だからもう少しだけお待ち下さい。

ではまたね!

No comments:

Post a Comment